セールスパーソンの皆様、年初という事もあり、目標やゴールを意識し、プランニングをされていらっしゃることと思います。
昨年は特に、年初に立てたプラン通りに物事を運ぶ事が難しい一年だったかもしれません。そういう意味では「強い心」「柔軟な心」が求められるVUCA時代です。変化が激しく、先の事が予測不可能な毎日。変化と共に生きるという事が当たり前の時代になったと言えると思います。
先週、デール・カーネギー・トレーニングとの関わりが30年以上という、地球の反対側にいる私のマスタートレーナーのデービッドにメールをおくりました。「デール・カーネギーは今の世界をどう見ていると思いますか。」ときいてみました。翌日デービッドから「100年前のデール・カーネギー氏も同じような逆境を何度も乗り越えて、彼の原則が生まれたんです。そしてそれらの原則自体も様々な逆境に耐えて、100年変わらずに私達に勇気を与え続けてきています。」という貴重なメッセージが届きました。
デール・カーネギーはセールスの5つのドライバーのひとつに「態度のコントロール」を取り上げています。つまり、セールスパーソン、一人の人間としての「態度」をしっかりと保つという事がとても大切であるというのです。デール・カーネギーはセールスだけでなく、全てのパフォーマンス向上サイクルにおいてもこの「態度」をキーワードとして挙げています。
皆様も、数値的な目標や達成プランは作られていらっしゃる事と思います。このチャンネルをお聴きの皆様は、今年こそ、この目標を達成しよう!と意を新にされている方も多いと思います。ぜひこのタイミングで「態度」すなわち、確固たる自分のゆるぎない「信条」も今一度見直してみてはいかがでしょうか。
たとえば、10本のセールスコールのうち、1本が成約に結び付いたとしたら、事実としての見方は成約率10%です。
ポジティブな方は「9回断られるのは10回目のセールスの成功を保証するためだった!」と考えます。9回の「お断り」を感謝して受け入れ、10回目成功するまで高い意欲でお客様に接するのです。また、自責の念を持ち、回を追うごとに「この経験から何を学べるだろうか。」「違うやり方はできないだろうか?」という「態度」で成長と変化を遂げていくのです。最初の9回の失敗や困難においても、9通りの失敗の方法を学ぶために必要なプロセスだった!と全てのステップにポジティブな意味づけをしていくのです。
確かに、ビジネスや人生全般にとって、不況、競合相手、価格競争、トレンドや環境の変化など逆風が吹くこともあります。私自身も特にコンサルタントになりたての頃、心が折れそうになることも沢山ありました。そんな時、デール・カーネギーの書籍、セールス・アドバンテージを読み、何度も救われた事を思い出します。そして、感謝の気持ちを取り戻し「態度」を立て直すことができました。
以来、同じような悩みを持った同僚やクライアントには、私を救ったデール・カーネギーの心に火を灯す言葉を贈っています。そして、それぞれが、活力を取り戻し、力強く前に進んでいく姿を目の当たりにしました。後半では、逆風を追い風に変えられるような、デール・カーネギーの温かい言葉を紹介してまいります。
それでは、早速ポジティブな「態度」を保つためのデール・カーネギーのアイディアをご紹介します。私もかつて激しく落ち込む事もありました。その時にこれらのデール・カーネギーの言葉を常に身近に置いたことで、行き場のない悲しみの感情に戻ることはなくなりました。これらのアイディアが皆様の背中を押し、笑顔で一年を振り返る助になると嬉しいです。もちろん、これらはセールス以外の場面でもとても参考になると思います。
セールスに情熱的な人の近くにいる事。
デール・カーネギーは作家マーク・トウェインの言葉を良く引用しました。「あなたの野望を過小評価する人から遠ざかりなさい。彼らは小さな人です。本当に偉大な人はあなたも偉大になれると感じさせてくれる人たちです。」類は友を呼びます。何事にも意欲的な人たちに影響を受け、自分も自然に情熱を持つようになっていきます。
2.発奮させてくれるようなものを読み、見、聴く。
様々な要因で、直接会ったり、身近に情熱的な方がいなければ、動画を見たり、本を読んだり、または音声を聴いたりすることでも良いでしょう。
次第に、それらの考えが自分の中であたりまえになっていきます。
3.あなたが扱っている商品やサービスを心から愛しているクライアントと話す
満足してくれているクライアントに電話、メールをして自分にご褒美を与えるのです。とかく我々は問題に対処し、火を消す作業ばか行っているように思えてしまいます。満足しているクライアントと話をして、私達はクライアントに満足を売る仕事をしているのだということを思い出しましょう。
4.ビジョンを書きだし、感情をこめて仕事に没入する
もし、目標があるなら、感情をこめて仕事に没入するのです。あなたの喜びも増し、あなたの同僚も楽しくなるはずです。結果はともかく次の日、次の電話、次の注文が待ち遠しくなってきます。
デール・カーネギーは「どんなことがあっても落ち込むな。次に進むのだ。あきらめるな。」と言います。それが成功している人のポリシーなのです。私は弊社の創設者がせっかくそう言っているので、素直にその言葉に従ってみました。私たちは人間ですから落ち込むことはあるかもしれません。重要な事は、そこから学ぶものがあり、立ち上がり前に進んでいくことだと思います。今いるその場所に立ったままで、一歩も動かなくても、向日葵のように光の方向に向きを変え、視界を変えていくこと。そして願わくばその方向に向かい良いタイミングで一歩踏み出してみることなのです。
VUCA時代で急な変化が求められる時代だからこそ、急がず、ゆっくり時間をかけてクライアントと大切な信頼関係を築いてみてください。この時代を共に過ごし、構築された信頼の心は生涯のプライスレスな財産になると思います。クライアントの視点から物事を考える「態度」もまた資産になります。
そう、セールスが始まるその時は、セールスパーソンとしてのポジティブな「態度」がしっかりと定まった時なのです。