気持ちと行動には密接な関係があります。そしてその多くが、気持ちが行動をコントロールしている場合だと思います。では、その逆は出来ると我々にどんなメリットがあるでしょうか。
どんよりした天気の日、雨雲に太陽が隠れた暗い朝、朝から雪がちらつく日、どしゃぶり予報…天候は我々の気分に影響をもたらせます。特に営業であれば、その気持ちはひときわ強いでしょう。とはいえ、我々はプロフェッショナルとして、天候に気分は左右されても営業成績は左右されるわけにはいきません!
天候以外にも、我々の気持ちに影響を及ぼす理由は様々です。よく内容が分からない案件、自分に関係なく思うのに緊急で仕上げなければならないものの、特に重要度は低いはずなのに緊急性が高い仕事などは、これに当たるでしょう。我々は想像力豊かなので、考えてしまう訳です。あぁ、時間がかかりそうだな、疲れそうだな、と。そうなるとより楽な法の仕事から取り掛かろう、と考えてしまうのは多くの方が共感できるでしょう。では、営業のプロと呼ばれる方々は、どのようにコントロールをしているのでしょうか。
大切なのは、ご自身の『夢』をしっかりと持つことなのです。夢と急に言われると、メルヘンチックで不真面目な印象にとらえる方もいらっしゃるかもしれません。ここでいう『夢』とは、達成目標です。セールスとして大成功した先にある、我々がなりたい自分自身であったり、していたい行動です。別の言葉で言えば、Visionです。これが、できるだけ具体的な絵を描くことが大切なのです。なんでもいいのです、それこそ『若くしてリタイヤして家族と一緒にハワイで悠々自適な生活を何不自由なくしている』でもいいです。大切なのは、ありありとした絵であることなのです。
そして、この『夢』の達成の為に今出来ることは何か、を考える思考なのです。嫌な出来事は毎日のように起きるでしょう。それこ、成立間近の取引が、急に先方都合で取り消しになったり、金額が半分以下になったらどうでしょうか。更にコミッションを期待して、家族を旅行に連れていく企画をしていたらどんな気分になるでしょうか。自尊心、闘争心、やる気にどれだけの影響を及ぼすかは、考えるまでもなくわかる気がします。そんなときも、立ち止まり夢を考えるのです。そうすることで、今ここで気分が落ちて仕事が出来なくなっていること自体が夢の達成に影響を与えているのだ、ということに気が付くことが出来るのです。エネルギーがもったいない、と思えるのです。
意識を強く持って生活を送るということは、頭と心の両方をコントロールするということです。夢となる大きな絵を描くことで、毎日発生するいやな出来事を乗り越えるメンタリティができます。私のゴールはもっと高いところにあると思うのです。一生懸命に夢さえ見ていれば、天候が変わろうが、マーケット環境が変わろうが、乗り切ることが出来るのです。そして、描く絵がどれだけ具体的であるか、どれだけ納得感を感じているかが、我々が闘わなければいけないシーンでは決定的な違いをもたらします。自分のムード、自分の気持ちの向かう方向は自分で決めると意志を固め、やるべき仕事は夢の達成にどう影響するかを常に意識出来れば、我々はやるべきことを集中することができます。回ってきた、こなさなければならない仕事や周りへの手助けも、そこから自分の夢の達成の為にどんなスキルや経験や信頼が得られるだろう、という目線で物事をとらえられるようになります。全米トップ・セールスであったジグ・ジグラーが言っているように、他人を助けるということは結局自分自身を助けることになるのです。
営業とは数字を競うゲームですから、助ける人の数が多ければそれだけ我々にとって良いことにもなるのです。営業において、気分をコントロールすることは成功を維持し継続していくにはきわめて重要な要素です。意志が強くなればそれだけ、気分の波が少なくなります。イエスよりもノーが多いのはビジネスでは日常茶飯事です。しっかりと脇を固め、意志を強くして気分をコントロールしましょう。