目まぐるしく変わる世の中。情報に入りまみれた世界、コロナの蔓延によって変わる生活スタイル。そんな中、我々はリーダーとして何に注意すればいいのでしょうか。
今我々が存在するこの世界は、いままでの歴史の中で、最も情報に満ち溢れています。Google、Yahoo、Wikipedia、YouTubeなど、入手可能な情報は気が遠くなるほど膨大です。個人の情報入手に関しても、Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagramのような強力な情報ソースがありますし、ほとんどの方がLINE、Whatsappやメールの、少なくともいずれか1つのアカウントを持たれています。世界をつなぐコミュニケーションツールなど、スカイプぐらいしか思いつかなかったものが、今やZoom、WebEx、Teamsなど、色々なプラットフォームが存在します。
コロナが蔓延し始めて2年、社員によっては未だに他の社員に会ったことがないという方もいらっしゃいます。そんな中、多くのリーダーの方々が、人間関係の強化、チームワーク、労働力の適材適所への配分、アイデアのとりまとめなどはコロナ前と比べて難しくなったと感じていらっしゃいます。こういった問題に対して解決策が見つからないのはなぜでしょう。洪水のように情報が満ち溢れているからこそ、どの情報を信じてよいのか、自分の求める目標達成の手助けとなるのか判断出来なくなってしまうのです。
更にその中で、生産年齢人口の低下の影響もあってか、リーダーの仕事はより一層増えています。プレイングマネージャーはもちろん、あれもこれも同時に進行しなければならない中、情報の良し悪しを吟味する時間はほとんどないのです。そうなれば必然的に我流のリーダーシップが生まれ、『命令や指令を出して数字を挙げることだけがリーダーの仕事』と考えてしまう方が増える傾向は、今後より一層強まっていくでしょう。
部下へのコーチングや、人間関係性を強めたり、エンゲージメントを高めることに時間をかけるなら、やることを指示してしまえばいい。言われたことをやっていればいい。となってしまうのです。ビジネスパーソンとして当たり前。と言ってしまえばそれまでですが、我々は様々な異なる感情を持つ、『人』を部下として持っているのです。『自分でなくてもいいじゃないか』と自己肯定感を感じられずにストレスや不満を抱える人が出てくれば、そのネガティブな気持ちは伝染します。そんな仕事環境で働く人たちの生産性は、どうなっていくでしょうか。そして将来性は、どうなっていくでしょうか。では何をすべきなのでしょうか。
先ずは、タイムマネジメントをしなければいけません。そして正しいタイムマネジメントをする為には、タスク管理が必須です。全てのタスクを洗い出し、Vision達成の為のプライオリティ設定をして、実行する必要があります。色々ある実行方法の一つに、権限委譲があります。部下のVision達成に繋がる、『正しい』権限委譲プロセスを行えば、部下のエンゲージメントや生産性も高まり、中長期的に我々リーダーの仕事も減ります。仕事の質も上がり、活気が生まれます。
何かチームの為になればという能動的思考やイノベーションが生まれるきっかけにもつながり、そうなれば将来性も増えていくのです。その為のベースは、優れたコミュニケーションと人間関係性から成り立つ信頼関係の構築にあります。それを踏まえたうえで、キーとなるのは、責任関与です。責任を伴うタスクを意思決定や責任を持ってもらい、まるでわが子を育てるように大切に感じてもらいます。
勿論、コーチングは必要です。ただし、あれしろこれしろと指示をするのではなく、正しい方向に進むように、相手の意思を導くのです。あくまで意思決定は相手です。これなくして責任感は最大保持はあり得ません。そしてこれは、相手の好きなようにさせるサーバントリーダーシップとも全く異なります。権限委譲のもつ力は、絶大です。
しかし、多くのリーダーが、権限委譲と仕事の押し付けを混同してしまっているのです。しっかりと人材選定理由は明確化していますか。どう相手のVision達成につながっていくのでしょう。相手のキャパシティはどうでしょう。こういったポイントをしっかり押さえ、それをどのようにコミュニケートしていくのかの練習をしなければなりません。方法はあくまで手段です。
やり投げに必要なやりを手に入れただけです。結果を出すには、この手段をどう自分用できるか、どうすれば自分のチームに刺さりやすいように出来るか、パーソナライズ化して、練習をする必要があるのです。もう一度言います、情報や方法は、ただの手段なのです。そして、手段を使う相手は、異なる様々な感情を持った生ものです。我々リーダーの仕事は、会社のVision達成と部下の成し遂げたい事の整合性をとり、心理的安心安全を感じられる環境を作ることなのです。
そのヒントとなるのは『WHY』です。なぜこのVisionなのか、なぜそれが大切なのか、なぜ成し遂げたいのか。会社を理解し、部下を理解しましょう。理解まで踏み込めるための関係性を構築しましょう。そうなられたとき、我々はリーダーとして、たとえどの業界のどの会社にいたとしても、愛され、求められる欠かすことの出来ない人物になっていきます。