オンラインの会議やイベントが増え、実は以前にも増してプレゼンテーションを見たり、聴いたりする機会が多くなったのではないでしょうか。私もそのうちの一人ですが、YouTubeやポッドキャスト、SNSを通じて音声や動画でのメッセージを投稿したりライブ配信する機会が逆に以前より増えたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。中にはチャンネル登録者、フォロワーの数を伸ばすために試行錯誤されていらっしゃる方も多いかもしれません。
聴き手を惹きつけ魅了する話し方、虜にしてしまう話し方とはどのような話し方でしょうか?
一度考えてみていただきたいと思います。皆様はどのような方のお話しに引き込まれますか?皆さまが「虜」になる、この方のお話しをまた聞きたいと思うようなお話しをされる方、チャンネル登録したくなるような発信者はどのような方でしょうか。
うまく話せるようになりたいです。わかり易く話したいです。論理的に話したいです。そのようなご相談をたくさんいただきます。もちろんその時の状況に応じて言葉を大切に扱う事はとても重要な事という事は大前提です。このポッドキャストをこれまでずーっとお聴きくださっていらっしゃる方は当然、言葉を乱暴に扱う方はいないと信じております。そのような皆さまに更なるチャレンジを期待するとしたら、アリストテレスが言った、「賢者のように考え凡人のように話す」を実践していただくことです。難しいことも簡単に伝えることができ、聴き手を心地よい気持ちにさせる事ができてこそ、素晴らしい話し手と言えるのではないでしょうか。自分らしい、飾らない話し方をされる方のお話しを聴いて、その方の言葉がすんなり心に届き、心の距離が近くなることを感じた事はありませんか。
私たちのプレゼンテーション研修では、受講者の方々に、「どのようなプレゼンターになりたいですか?」という事をセッションの最初でお聴きします。そして紙に書いていただきます。私は弊社に入社前にその研修に一受講者として初めて参加した時のことを思い出すと「ハッピー」「エンゲージング」「インスパイアリング」なプレゼンターになりたい。と書きました。皆さまもまずは、自分はどのようなプレゼンターになりたいか、考えてみていただきたいと思います。そして紙に書いてみましょう。
それから、自分がお気に入りのプレゼンターや動画コンテンツを配信するインフルエンサーの方のどこに自分が惹きつけられるのかを考えてみましょう。その方々の良い点をいくつでも良いです紙に書いてみましょう。声、表情、間、抑揚、内容が素晴らしい、、、など。様々な要素があげられるかもしれません。逆に、たまに原稿を棒読みでも堂々とYouTubeで話している方の話に逆に惹きつけられることがあったりします。なぜなのでしょう。。。
そうすると気づく方もいらっしゃるかもしれません。たとえ棒読みだったとしても、その方らしく繕わずに話すその勇気や、一生懸命さに惹きつけられているのです。ついバレないと思って、かっこよくキメようと思っても、聴いている人には伝わるものなのです。たとえ初対面だとしても、話をきいていると繕っているのか、ありのままなのかという事を感じる力を私たち人間は持っているのです。等身大の自分をさらけ出せることこそ素敵なこと。そんな方こそ信頼できる!と私たちは無意識に感じているのです。
投資家のウォーレンバフェット氏も他者を虜にする天才です。だからこそ、投資家として大成功を収めることができたのです。彼もデール・カーネギー・コースの修了者で彼が彼のオフィスの中で一番大切にしているものは?と聞かれたときに、デール・カーネギー・コースの修了証書であるということを嬉しそうに、沢山のメディアで語ってくれています。その話し方はとても楽しそうで、親しみやすく相手に緊張感を与えない雰囲気です。彼はスノーボールという本の中でも「自分については、格好悪い方の話を採用して下さい。」と記者に頼んだと書かれています。そんな彼だからこそ、皆からの信頼を得る事ができたのだと心から思いました。
弊社にブラジル人のインターンがメンバーに加わりました。先日彼女に、「好きなブラジルの曲を紹介していただけますか?」とお聴きしてみました。教えていただいた歌手の歌を聴いてみると、言葉はわからないのに、心に何とも言えない熱い気持ちが湧き上がってきて、感動を味わう経験がありました。私たちは、言葉以外の何かからメッセージやその方らしさを感じたりすることってあるのです。言葉もわからないのに、音楽をきいて感動してしまう。これってプレゼンでも同じことが言えるのではないか!と思う瞬間でした。
皆さん!自分にしかできない話を話したい!伝えたい!という想いで、話してみましょう。そうすればその「繕わないありのままの姿」で聴き手を魅了し虜にすることができます。