どのクライアントも、結局はこのポイントだしなぁ。…長くセールスをしていればいるほど、習慣という魔物に取りつかれてしまいます。これは、注意をしていない限りほとんどの方に起こりえてしまうことなのです。これはクライアントにも言えることで、『商品はどこの会社も企業努力してるし、大して変わんないよ。新しいっていったって使い方もそこまで変わらないから今さら説明もいらないし、それより価格、何とかならない?』という感じでクライアントに対応をされちゃうんですよね。とご相談を受けたことは数多くあります。ご自身がどのようなセールスになりたいか、セールススタイルを好むかで勿論違いは出ますが、クライアント側に完全にコントロールが言っている状態では『コンサルティングセールス』は成り立たない、ということは納得がいただけるかと思います。果たして、前述の習慣の魔物に取りつかれてしまった状態では、コンサルティングセールスは出来えないのでしょうか。そうでもありません。なぜなら、たとえ求める利益、つまり『出口』が一緒だとしても、たどる道のりは人それぞれだからです。どういうことなのでしょうか。例えば、とあるお客さんが電動ドリルを買いにホームセンターにやってきました。そこで営業担当が一押しドリルの重量、アクセサリー、電源、バッテリー寿命から回転数まで色々説明しますが、芳しいリアクションが返ってきません。なぜなら、このお客さんが求める利益、つまり出口は『穴があけたい』だけだからです。さぁ、コンサルタントなら、どうするでしょうか?
この問題の最大のポイントは、お客さんにとっての利益が『穴さえあけられれば…』というと小さな的だけになっていることです。そして、どこで買っても、敢えて言えば、誰から買っても値段以外変わらないでしょ。と思っているわけです。ここから変えていく必要があります。的を打ち抜きやすくするには、どうすればいいです?的を大きくするか的の数を増やすか、的を自分の方に引き寄せるかすればいいのです。
One of themでなく、THE Oneの店員になるには、お客さんの利益について言及していきましょう。どんな目的で、どんな理由で、それが出来ると何が出来て、どういった良い影響が出て、お客さん自身はどうなるのでしょうか。素敵なゴールを、夢を聞かせてもらうのです。この傾聴一つで、景色はがらりと変わります。的が増えますし、よりこのお客さんを知ることが出来るので、関係性も深まるでしょう。その為には、ただ何がしたいですか?なんてぼんやりした質問をしていては、Oneofthemのままです。お客さんからは『そんなこと言われても、穴は穴だよ』で帰ってくるか、『特に考えてないなぁ』と言われるのが落ちです。ご自身の経験や、今までのお客さんでどんな方がいて、その方がどんな道筋をたどったなど例を入れながら、OOさんの場合はどうですか?とポイントを絞って聴くのです。ぼんやりではなく具体的に考えるポイントが出来ているので、お客さんも話がしやすくなるのです。そして、一歩一歩次に何をするかの工程を確認し、ゴールに導くのです。
そうやって、お客さんの考えを整理してあげながら、二人でゴールの絵を描いて行けば、絵が描き切れたころには、素晴らしい絆が出来ていることでしょう。そして、必要な要素が分かっている我々は、適材適所の利益を持ったゴールに最短で導いてくれる商品を提案できる情報を手に入れているのです。そして、聴くのです。この商品のこの利点は、ゴールの達成にどう役立ちますか?と。お客さんは自分から、その道順を教えてくれることでしょう。そして、信頼の絆の上に、商談が出来ることでしょう。そこまでに持っていくには、ミーティング一度で終わりではありません。必要あれば、一度帰ってもらって再考してきてもらう、くらいの気持ちでいてください。一回の弓で一発で射止めてやろうなんて、それこそ運が必要になるのですから。