プレゼンに自信を持たれる方は、どんな方でしょうか。コンテンツにすごく精通されている方かもしれません。長年の経験から誰よりも詳しく、専門的な知識を持っていて、どんな質問にでも応えられる。そんな方であれば、自信を持たれることも納得です。プレゼン自体のスキルに富んだ方の場合はどうでしょうか。口調、抑揚、間の取り方から聴き手とのアイコンタクトやジェスチャーに至るまで、様々なスキルを獲得された、何十、何百ものプレゼンをこなされた方ならどうでしょう。それはそれは、自信を持たれるはずです。我々デール・カーネギー・トレーニング東京ジャパンの代表でもあれDr.Storyはまさに、百以上のプレゼンを乗り越えてきた、プレゼンの猛者です。そしてDr.の肩書も持ちますから、勿論、ある分野において非常に精通された方です。そんな彼であれば、プレゼンで手ごたえを感じるなど朝飯前じゃないか!?それこそ緊張すらしないのでは!?と、思ってしまうほどです。ところが、そんなプロフェッショナル中のプロフェッショナルであるDr.Storyでさえ、手ごたえを感じにくかった経験もあるそうです。なぜでしょうか。
非常に優れた人だからこそ、逆にたとえミスの大きさが少しだったとしても大きく見えてしまうことがあります。勿論、大事故につながるという訳ではありませんが、実は、プレゼンのプロでも、色々な緊張を感じています。とやかく言う私も、トレーナーとセールスを兼任する仕事柄、プレゼンの機会は多々あります。そして、緊張は、します!逆にこう感じていたこともありました『自分は経験者なのだから、出来ないなんてあってはならない』と。我々はプロで、聴き手もそのつもりで聞いているはずだ。高いレベルのものをみせないと!と、いつの間にか、集中すべき矢印が自分に向いていたのです。更に言えば、結果だけに注力していたので、自信を喪失することもあったくらいでした。サービス精神、プロ精神といえば聞こえはいいですが、傲慢だったと、思います。結果、やり過ぎ、温度差バーンの痛手を感じたことも、ありました。それに気付けてからは緊張の種類が変わりました。聴き手が求めるを意識するようになったのです。ここに、私がDr.Storyのお話しから学んだ鍵がありました。我々が集中すべきは、聴き手なのです。聴き手が持ち帰るメッセージが少なければ、どれだけスピーカーにスキルがあっても知識があっても、事故を起こしてしまう可能性があるのです。例えば、トレンドの影響、情報の新鮮さもキーです。いくらいい話だとしても、今の時代にそぐわない話であれば、聴き手はその話から得られる行動利益の信憑性を薄く感じてしまうかもしれません。『今の時代それは無理だよ』と心が一旦心が離れてしまえば、繋ぎなおすのに一苦労することでしょう。勿論、過去から学べることはたくさんあります。そこで大切なのは、自身の意見を押し通そうとするだけでなく、そのストーリーをどのように、より聴き手に関連性を高めてあげられるかのピースを見つけることなのです。