年末年始は逝く年を振り返り、来る年に向けての目標を立てたりする時間を持たれる方々も多くいらっしゃると思います。誰もが、毎年、迎える新しい年が幸せに満ちた一年になることを願うものです。皆様にお聴きします。皆様の中で、毎年のように、自分が立てた目標を達成し、「アーーーーーーー今年も良くやった!」という年末を迎えられていらっしゃる方はどれくらいいらっしゃいますでしょうか。場合によっては達成したことよりも先に反省点や改善点が沢山出てきてしまって、、、新年こそは変わろう!と意を新たにされる方もいらっしゃるかもしれません。トレーニングの受講者の方々からも、良くお話しをお聴きします。「年初はやる気があるんです。できると思っているんです。でも、結局、毎年同じことを願い続けて居るように感じます。なぜか先延ばしになってしまうんです。。。」
「うわーーーー気持ちわかるーーーー。」このポッドキャストをお聴きの皆様も同じようなお気持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ある意味当然のことです。私たち人類、ホモサピエンスに備わっている機能が原因なのです。それは、変化に対する恐れです。人間の脳は失敗のみならず、成功することへも不安を抱きます。とにかく「現状からの変化」には一様に恐れを抱いてしまうのです。
それでは、私たちは、今いる場所から動けない!ということになってしまいます。せっかくだったら良い方向に向かいたい!どうすれば、立てた目標が絵に描いた餅ではなく、私たちが思い描く現実を実際に手にすることができるのでしょうか。
それでは、どのようにして年初に立てた目標が絵にかいた餅とならずに実現することできるのか。についてお話ししてまいりましょう。それには、これまた、私たちに備わっている「一貫性を保ちたい」という脳の機能を味方につけることが必要になります。つまり目標を達成した状態はどのような状況なのかというクリアな「ビジョン」をイメージします。ただイメージするだけではなく「ビジョン」の映像を脳内に再生しながらそのビジョンが達成された時の感じているであろう感情をリアルに味わいきる。この事は願望実現に有効であるということが科学的にも証明されています。自分がこうなりたい!と思っている事が実現している状況をありありとイメージとして脳内にポジティブにビジョンが叶った状況を現在進行形で再生し、それが、いつ、どこで、起こっているのか。その時、誰と一緒にいるのか。誰がどんな言葉を発しているか。そして最も大切なのは、その時どんな感情なのか。を予め味わう事で、脳が一貫性を保つために、脳内再生したビジョンに関連する情報に敏感になり、今までスルーしていたものが急に目に着いたりするようになっていくのです。
私の友人で女子プロゴルファーの方がいらっしゃいます。私はその方を「ちーちゃん」と呼ばせていただいています。優勝経験がある彼女がおっしゃるには、彼女は体調を崩したりなど、思ったようにゴルフの練習することが叶わなかった時期があったそうです。ミニマムな練習時間にもかかわらず、なぜ優勝ができたのでしょうか?とお聴きすると、ちーちゃんは「自分が優勝して、喜んでいる姿をビジョンとして思い描いていました。」とおっしゃいました。ちーちゃんがすごいのは、優勝スピーチをしているところをありありと思い描き、実際に声に出して優勝スピーチの練習をしていたというのです。彼女はおっしゃいました。「スピーチの練習中に皆さんに感謝の気持ちを伝えていたら、感極まって本当に涙が出てきてしまうほど、、、感情を味わい切りました。」彼女ははっきりと練習よりも感情を味わう事が彼女にとっては有効だったとおっしゃったのです。
リーダーであれば、組織や会社のビジョンも大切ですが、まずは自分自身の一個人としてのビジョンを持つことを始めてみてください。幸せな個人の集合体がアウトプットが高い組織となるのです。リーダーが個人のビジョンをしっかりと描けているかどうかは、メンバーにも伝わります。そして、個人として向かう方向がはっきりしているからこそ、焦点が定まり、アンテナを張り巡らせることができます。そうすると、日々、目に止まるものが変わり、その瞬間瞬間の判断や選択に影響がでてきます。その判断や選択の積み重ねで、私たちを思いもよらない遠いところまで連れて行ってくれるのです。
ある程度先の未来のビジョンを設定したら、今日どのように生きるかが決まります。どのような人間になるのか。自分が身を置くべき環境はどのような場所で、誰とつきあうのか。どのように付き合い、何をするのかなどが明確になります。または、どこへ、どのようなスタイルで旅をして、どんな経験をするのか。どんな車に乗るのか。どんなレストランに行くのか。どのようなファッションを選択するのかも変わってきます。そこで出会った人たちが私たちのビジョン達成に不可欠な人である可能性もあるのです。
実現したい未来の姿を、観るだけでワクワクする感情を持てるような「ビジョンボード」を作成し、ビジョンを写真や絵で表現することもお勧めです。 そして、組織や家族間でもそれぞれが思い描くビジョンを把握しあえたら、現実化が加速することでしょう。お互いのビジョン達成のために、サポートや応援しあえる環境が設定できたら、さらに理想的です。ジグ・ジグラーの名言に、「人が望むものを手に入れるのを手助けするだけで、あなた自身が人生で欲しいものをすべて手に入れることができる」という言葉があります。お互いのビジョン達成を祝福しあうことができる環境づくりで一人ひとりの幸せが増えるのです。そして脳のもう一つの機能もご紹介します。脳は主語、時制も理解しませんので、他者の幸せを祝福することで心から自分は満ち足りていると感じることができるのです。そうすると一人ひとりの幸福度が高くなり、組織としてもビジョンを達成する可能性が高まります。
ビジョンを設定する前に、自分の強みや、自分が好きで楽しいと思うことを把握し、今できている事を認め、それらに感謝をすることを行いましょう。私たちは自分に足りないものやできていない事を反省をすることは普段から自然に行えていると思います。これからの私たちは敢えて、今、既にできている事や、自分の強み、ほんの少しの進歩や、まだ一歩も動いていなくても視点や目線が変わったということだけにでも心から自分を認めてあげましょう。そうすれば、好循環が生まれます。
そう、ビジョンは描くだけではもったいないのです。感じることで実現の可能性が増します。一年後の今頃、私たちはどのような状況でどのような気持ちになっているでしょうか。今日は楽しみながらそのビジョンを感じ、ワクワクした気持ちを噛み締めてみましょう。そして、その感情を味わうコストはおいくらでしょうか。そう、心の中で感じるだけですから、もちろんゼロ円ですね。
ですから皆さん!ビジョンを感じましょう。そうすれば、実現の可能性が格段に高くなります!