ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)を多くの企業が目指しています。多様な人材の活躍を実現するためには、職場環境の中でインクルージョンを確保することがとても大切です。その目標を実現するためにはどうしたら良いのでしょうか。インクルージョンを実現するためには意識的な取り組みが必要となります。チームメンバーが高いコミュニケーション能力を持つことで、互いを理解し、違いを受け入れることが可能になります。
皆様は、高いパフォーマンスを発揮するために、どのような事を配慮していますか。相手を思いやる気持ちで話していますか?声のトーンや話すスピードに気を配っていますか?適切な語彙選びはできていますか?難しいことを難しく話すことは果たして相手に対して配慮があるでしょうか。相手から好感を持ってもらうためには、どのような方にも分かりやすく、聴き手を委縮させない話しやコミュニケーションができるかどうかが大切なのです。コミュニケーションは相手に好感を持ってもらう事がゴールです。誰でも自分に自信を持たせてくれる人の話を好んで聴きたいと思うのです。その逆で、自信を失わせるような人の話は誰も好んで聞きたいとは思わないことは、私たちは知っています。であるならば、平易な言葉を敢えて使う配慮はインクルージョンの見地からもとても重要です。
インクルーション実現に有効なコミュニケーションとして、大きく分けて4つのコミュニケーションスタイルを把握することも大切になります。
1. 友好型:一般的に人が好きで、前向きで自信にあふれ、幸せである傾向にあります。
2. 分析型:詳細や事実、統計、証拠を重視し、分析的思考の傾向があります。
3. 興奮型:口が先走ったり、話が飛んだり、トピックが高速で移り変わる傾向があります。
4. 支配型:物事を進めたり、決定を下したりし、他者には自分の思い通りに動いてほしいと考える傾向にあります。
私たちは、それぞれ異なるコミュニケーションスタイルを持ちます。自分のコミュニケーションスタイルが最も正しい、心地よいと考え、他のタイプの方を受け入れにくい、または、相手に変わってもらいたいと思うかもしれません。自分に置き換えると簡単に分かることですが、それはとても難しく、相手にとっても心地良くない事なのです。どうすれば良いのでしょうか。それは、お互いがそれぞれのタイプにあわせて異なるアプローチを行う必要があるのです。もし、お相手の方の話すペースが速いなら、私たちは通常のスピードよりも速く話す必要があるかもしれません。相手を説得する場合、相手の好みのコミュニケーションスタイルに合わせることで、相手が心地よくなり、心のバリアを取り除くことができます。
多様性とは国籍、人種、性別、年齢、宗教、その他の目に見えて分かる違い以外にも、同じ属性の中でもそれぞれの個が持つ価値観の違い、考え方の違い、表現方法の違い、様々な違いを理解することから始まります。インクルージョンは、それらの考えをお互いに尊重しあい活かしあうことなのです。お互いに違う考えを持つ者同士が共にコラボレーションするからこそ、新しい学びや気づきを得ることができるのです。そして、お互いが苦労なく楽しみながらできる得意な才能を出し合って、助け合いながら、補い合いながら、組織として高いパフォーマンスを出し合えるようになる環境が実現していくのです。
ですから皆さん、お互いの違いを楽しみ、慈しみながら、受け入れていきましょう。
そうすれば、皆が一つになり、イノベーティブな環境を生みだすことができます!