チームのメンバーが自分の仕事に責任を持つためには、適切な裁量と自由度が与えられる必要があります。一方で、チームの目標や価値観を守るためにも、一定のルール設定やマネジメントも重要です。過度な管理は、チームメンバーの創造性や自己責任を妨げる可能性があります。与えられたタスクをこなすことしか出来ない組織では、リーダーが欠如した瞬間に統率が取れなくなる危険性を持ちますし、想像力の限界もどうしても狭くなります。自己責任意識が薄ければ、仕事の質も高いものは期待できません。一方で、自由過ぎる環境では、達成目標に沿って自分がやりたいことに取り組むので自己責任感は多い反面、チームの一体感や方向性が欠如し、目標の達成が困難になる場合があります。このバランスを上手くとるため、イノベーションプロセスとして、意思決定においてチームメンバーの参加を促し、お互いへのフィードバックの機会を作る、という取り組みはとても有効です。ところが、この取り組みが上手くいかない場合があります。
なぜ問題が発生するのかという点について、いくつかの要因が考えられます。大きな要因の一つに、チームメンバーが完全な情報や変更についての明確なコミュニケーションを受け取っていない、というケースがあります。これにより、想定していなかった変更や逸脱が発生し、不満や不確実性、しいては生産性の低下が生じてしまうのです。イノベーションを促すためには失敗のリスクも伴います。しかし、チームのモチベーションを維持し、前向きなアプローチを取ることは重要です。では、問題が発生した場合、どのようなアプローチが取れるでしょうか。4つのヒントを見てみましょう。
まず1つ目に、『オープンなコミュニケーションをとる』です問題が浮上したときは、オープンで率直なコミュニケーションを行いましょう。関係者全員に対して状況を共有し、問題の原因や解決策について積極的に意見を求める必要があります。定期的なコミュニケーションと情報共有を行い、不明確さをなくすことは、チーム全体の透明性と問題早期発見を促進する上で非常に重要です。コミュニケーションの不足や誤解があれば、それを解消するための明確なガイドラインを設定しましょう。どこにずれが起きていたのかを把握し、チームで共通認識となるガイドラインやルールを再提示し、必要に応じて調整を行うことも重要です。そして2つ目は『ポジティブなアプローチ』です。問題が生じた場合でも、否定的な雰囲気を作らずに前向きなアプローチを取りましょう。失敗を懸念するよりも、学びや成長の機会と捉えることが重要です。関係者を励まし、解決策の探求や改善に向けた意欲を促しましょう。そして3つめ、『チームの力を活用する』です。問題解決には、チーム全体の力を活用することが重要です。メンバーが自分の意見やアイデアを提供しやすい環境を作り、共同で解決策を見つけるプロセスに参加する機会を与えましょう。チームメンバーが自身の貢献や関与を認められることは、モチベーションの向上につながります。最後の4つ目は『学習と成長の文化を築く』です。イノベーションを促進するためには、学習と成長を重視する文化を醸成しましょう。失敗から学び、知識やスキルを向上させることを奨励し、継続的な改善を追求する姿勢を持ちましょう。
最も重要なのは、問題に直面したときにチーム全体が協力し、前向きなアプローチで解決策を見つけることです。チームメンバーがお互いを励まし合い、成長の機会として失敗を捉えることができれば、チームのモチベーションとイノベーションの促進につながるのです。