営業の仕事は大きくカテゴリ分けすると、マーケティングがアプローチ出来ない方々にアプローチすること、そして相手の抱える問題の解決法を提案することです。
中には『新規開拓はしていない』『インバウンドのみ対応している』などと言った方もいらっしゃるかもしれません。その場合は相手がニーズをもって話かけてきてくれるわけですが、相手がこちらに対して信頼の目線で話しかけていていない限り、こちらの話し方によってはグイグイ来る嫌な奴に陥ってしまうこともあります。
新規営業は言うまでもなく自分からのアプローチは避けては通れない道ですが、『よく話しかけてきてくれたね!』『丁度需要があってさ!』なんてウェルカムされるケースなんてほとんどなく、大抵が興味なし。の姿勢をとられることでしょう。時には『いらないよ!』と強い口調で断られてしまい、『相手は営業されるのが嫌いであって、私が嫌いなのではない』と自分に言い聞かせながらも、営業として消耗してしまう方もいらっしゃるかもしれません。セールスとアプローチは切れない関係にあるわけですが、ちょっとここで立ち止まってみましょう。そもそも、相手はグイグイ来る営業の何が苦手なのでしょうか?グイグイ来られると断る自信がないから、苦手なのでしょうか?ニーズもないのに要らないものを売りつけてこようとするから、苦手なのでしょうか?それとも、他にやることが山ずみなのに聞いてもいない情報をばらばらと投げつけられ時間をとられるからでしょうか?それとも、我々の熱量でしょうか。果たして相手は、『グイグイ来る営業』が嫌いなのでしょうか?
相手の話も聞かず、相手『その方の』ペインポイントや利益を明確化しないままでただただ用意したプレゼン資料をレコードのように説明する、そんなことをされれば、たとえ相手がセールス嫌いでなくても我々の話を聞くのに嫌気がさします。どれほど商品がすごくてお買い得か。永遠と語られる中で、聴き手の頭に浮かぶ一言は『知るか!』です。このエピソードをご覧になっているアンテナの高い方なら、なんてセールスピッチをする方なんていないと思いますが、先述したように、セールスの仕事は相手の問題解決です。相手の問題も把握せず、どうやって解法をだせますでしょうか。セールスがとるべき言動のすべては、相手にとってどう利益があるか、です。どれだけいい商品であろうが、素晴らしい実績があろうが、相手にとっては『なんで自慢話を聞かなきゃいけないのだ』なのです。それよりも『私の利益は何だ?』です。急に『問題を聞かせてください』なんて質問したところで、『なんで知りもしないあなたに我が社の問題を赤裸々に語らなきゃいけないんですか?』となります。相手に我々が信頼に至る人物で、抱える問題を提示する価値がある!と認識いただく必要があります。その為には、相手が『それ、うちが抱える問題だわ』と共感してもらえる課題の提示や、相手にとって話を聞くべき、出来れば定量的な、直接的メリットを提示することが出来ます。部署や役職によって抱えられる悩みは異なるでしょうから、例えばChatGPTなどを使ってある程度問題把握をしてみても面白いかもしれません。個人的にはここで更に、解決できなければ全額返金的な相手の不安を下げるコミットメントを入れることもお勧めします。相手フォーカスの正しいセールスプロセスを踏むことが出来れば、我々セールスは相手の問題解決に前のめりで早急に問題を取り除きたい『グイグイ来る嫌な奴』ではなく、『グイグイ来るけど嫌ではない奴』になることが出来るのです。
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