シャンパンタワーの法則をご存じですか?シャンパンタワーを想像してみてください。
シャンパンがてっぺんのグラスに注がれて、そのグラスが満たされシャンパンが溢れていきます。そうすると、どんどんその下のグラスも順番に満たされていくという光景です。
リーダーシップもリーダー自身の心がしっかりと満たされ、整っていてこそ周りを満たすことができるのです。リーダーは自分を整え、チームを照らす光となり、ポジティブなエネルギー、信念、自信、可能性を伝播させる役割を担っています。もちろんのこと、リーダーの方が整っていないと、チームメンバーにまで影響します。
リーダーの方々はもともとストレスに対処する方法に長けている方が多いです。また、ストレスをストレスと認識していない方も多いようです。そのような方々でも、大きな決定をしなければならない時や、多額の損失を出してしまった時など、心が折れそうになるときがないわけではない。と思います。
リーダーや経営者の方は、起きた結果の最終的な責任を取るのは自分であり、その責任を分配する方もいないことが多く、家族にも言えない事もあります。捉え方一つで起こっている事をポジティブに捉えられるか、そうでないかが決まるとはいえ、もしも心の置き所がないようなモヤモヤがリーダーの方の心の中を占領した時でも、チームに良い影響を与え続ける為には、リーダーとして何ができるでしょうか。
私の知り合いのある経営者の方は、何か問題があるとき、不安が心を占領しそうになった時、その時間を長く持たない。と言っていました。もともと、その方は意識しなくても、常に最悪の事態を受け入れる準備ができていて、何か自分が予想していない事態が起こった時には「では次に何をしよう?」と次の行動に頭を切り替えることが自然に行えているのだとおっしゃいます。そのような強靭な心がある方々でも、どうしようもない時、誰にも打ち明けられないようなことが心の中にあるときは、ある事をしているそうです。
それは、まずは、一旦立ち止まる。この暗い気持ちの状況でやみくもに前に進むより、一度立ち止まり、自分を整える。ということでした。どのようにして整えるか。
それは、紙に書き出して気持ちを整理するのだそうです。
これは、デール・カーネギーもストレスマネジメントに大変有効な方法であると言っています。
デール・カーネギーのストレスマネジメントにもある、悩みを書きだす方法をご紹介します。
何か解決したいことがあった時、次の問いの答えを書き出してみましょう。
心がスッとしてきます。
1.問題点は何か。
いくつかあるかもしれません。これらを冷静に書き出して可視化してみましょう。
2.問題の原因は何か
これも、自分に有利な事、不利な事全てを書き出してみましょう。
この時点で少し心が軽くなっているかもしれません。
3.問題のあらゆる可能な解決策は何か。
あらゆる解決策を書き出します。実行または実現可能、不可能のリミットを外して考えてみましょう。ここでは、できるだけ沢山のアイディアを書き出すことが大切です。
4.あらゆる可能な解決策のアイディアを全て書き出した後、その書き出したアイディアの中から最善の解決策は何かを選択し、書き出してみましょう。
そして、その最善の解決策を選択した自分を信じて、行動に移しましょう。
この紙に書きだすプロセスはもう一人の頼れる自分との対話をすることで、自分の心のモヤモヤを言語化し、整理し、可視化することができます。
そして、心が可視化され、整理することができると、たとえその時点で霧が100%晴れないとしても、一筋の光の点す方向が見えるような気持ちになるかもしれません。
少し気持ちが軽くなっているはずです。
この書き出すプロセスは、リーダーはもちろん、どのポジションの方にも有効であると言われています。年々早いペースで処理することが求められる環境の中で生きる私たちですが、急がば回れですね。一旦立ち止まり、気持ちを整えることは、とても大切です。物理的にも下を向いているときは、気分も落ち込みますし、美しい空が視界に入りません。リセットして、目線を上げると、空には太陽、木には花が咲いているものです。
今週、お話ししたある経営者の方が、印象的なことをおっしゃっていました。彼は、悩みがあるときは、仕事の手を一旦止めて歩くそうです。そうすると頭が整理されるのだとおっしゃっていました。しかも、彼は事情が許す場合は裸足になって歩ける場所を探して、裸足で歩くとおっしゃっていました。
一歩一歩地に足をつけて歩きながら、自分の本心と語り合えるということをおっしゃっていました。
ですから皆さん、悩んでいるときは、一旦立ち止まり、自分の心と対話をしてみましょう。そうすれば、自分も知らない自分の声を聴き、満たしてあげることができます!