DEIは、組織や社会における重要なトピックですが、一部の場合には対立が生じることがあります。可能性の要因はいくつかございますが、今日はそのうち4つと対処する際の心がけについてお話ししたいと思います。まず第一に『取り組み理念の相違』です。 DEIに関する理念や価値観は、個人や組織によって異なることがあります。一部の人々は、DEIを重要視し、積極的な対応を支持する一方、人によっては、『あまり重要視しない考えも多様性の一部である』という観点から、反対が出ることがあります。2つ目に、『 政治的な偏見』です。 DEIに関連する政策や取り組みは、時折政治的な議論に関わることがあります。政治的観点は特にヒートアップしやすいトピックでもあり、DEIと関連しながら、意見のぶつけ合いに発展するケースもあります。3つ目に『文化的な違い』です。政治と同様、文化や宗教的観点は、ヒートアップしやすいトピックです。異なる文化やバックグラウンドを尊重しあえる、包摂的な話し合いが取れる環境が達成されきれない場合、バイアスの未解消や、誤解、対立を生むことがあります。そして注意が必要です。そして55つ目は『 恐れや不安』です。 DEIの取り組みが進むことで、一部の人は自身の地位や権利や資源が脅かされると感じることがあります。このような恐れや不安が対立を引き起こすことが考えられます。では、発生する対立に対処する際、どのような心がけが必要でしょうか。
トピックとして先にあげさせていただいた点のほかにも、対立は対応のプロセス、役割、方向性、意思決定などさまざまな要素に関連して生じることもあります。課題がどこにあるのか、それがずれたままでは、まるでビルの2階と4階で話し合いをしているようなものです。もしかしたら、同じビルですらない可能性もありますから、一向にかみ合いません。原因を正確に理解する必要があります。話し合いが興奮状態にあるときに、問題の明確化を始めるのはおススメしません。怒ってしまった場合、一度落ち着け、冷静になるのを待ってから、解決するために取り組みましょう。外に出て人目を避けられるカフェなど、個々がより自由に話すことができる状況で話を聞くように心がけましょう。問いただしではなく、共感をしながら意見を聞き出しましょう。非難するような言葉は当然避け、出来る限り個人単位に焦点を当てないようにします。問題解決が、チームとして達成できるために何をすべきかを考えることを明確にします。
DEIに関する対立を解決するためには、対話と慣れが重要です。異なる視点や価値観を理解し、共感する機会を提供し、公平で包摂的な社会を築くための共通の目標に向かって協力することが必要ですが、無理やり推し進めるのではなく、少しづつ、着実に環境を作りながら進めていく必要があるのです。