年末年始のシーズン到来です。一年の締めくくり、皆様はこの時期をどのように過ごしになりますか。毎年、バタバタと年末を迎え、家の片づけをして、帰省をしてなんとなくお正月少しのんびり過ごしたらあっという間にお休みが終わってしまいます。。。という方も多いかもしれません。年末年始のみならず、日々、自分が望む働き方と生き方を手に入れられたら素晴らしいですね。
これは、あくまでも個人的経験からのお話しですが、私は外資系企業に勤めていた期間が長く、海外の方々とお仕事をするというくくりで言えば、職業人生の全ての期間、外国の方々とのお仕事に関わらせて頂いております。海外の方々は12月初旬から休暇に入ることも珍しくありませんでした。その方々はそれぞれ要職についている方々も多く、仕事とプライベートのバランスのとり方がとても上手でした。今も、海外の経営者の方々とお話しをさせて頂くことが多いのですが、彼らが口をそろえておっしゃる事は、このようなことでした。「休暇の予定や自分との約束の時間を予めしっかりと確保する事がとても大切です。」
一方日本の我々の働き方の現実は、早々と休暇に入る外国人の同僚を横目に、カレンダー通りの休暇に少し前後のお休みをつけられたらいいかな。という程度。年末年始に限らず、2週間も3週間もお休みを取る事は就職してからこれまで一度もないという方もいらっしゃるかもしれません。さらに、コロナ禍でせっかく定着したリモートワーク期間は段階的に終焉を迎え、今ではオフィスに出勤する機会が増えた方々が多くなってまいりました。通勤に片道一時間以上かけている方も多いと思います。(その通勤時間にこのポッドキャストを聴いてくださっている皆様、ありがとうございます。)もちろん、出勤をすると、オフィスで直接同僚と交流を持てるという事はポジティブな側面ですが、物理的に睡眠時間が短くなってしまうというデメリットがあります。睡眠が7時間以下の方がチームにいらっしゃると、チーム全体の仕事の効率や心理的安全性を保つ事に支障をきたす。というデータもあるので、睡眠はとても大切なのです。
また、パーキンソンの法則をお聴きになったことは有りますか?その法則の一つは「仕事は費やすことが可能な時間いっぱいに広がる」というものです。皆様も、ある仕事をこなすのに、時間がいっぱいあったはずなのに、結局納期ギリギリになって焦ったが、なんとか間に合わせることができた!という経験はあると思います。ある雑誌の編集長の方もおっしゃっていました。「締め切り効果」を利用したほうが、集中力を発揮できる!のですが、実は、毎回思うのです。次回はもっと余裕を持って準備しよう。。。」それを聴いて私も「他人事ではないな」と、、、耳が痛かった事を覚えています。
外国人から見ると日本人は決定に時間がかかる、作業時間が長い。とみられているのは初耳ではないと思います。もちろん良い点としては、お仕事が丁寧なので、完成度の高いアウトプットを行う事が出来ているという点です。しかし、実際、先方はそこまでのものを求めていたわけでもなく、もう少し手軽なものを早く出してもらったほうが良かったと思われることも多くあるようです。そういう点では、私たちの完璧主義からの脱却ということも最近よく聞くテーマでもあります。
それでは、2024年以降、私たちが新たな働き方や生き方を実現するには、どのような事をとりいれていきましょうか。これから年末年始を迎えるこのタイミングで、改めて見直してまいりたいと思います。
私たちの理想の働き方はどのような働き方でしょうか。という質問をされることはあると思います。それでは、私たちの理想の生き方はどのような生き方ですか?ということをしっかりと考えたことはありますでしょうか。最近はパーパスという言葉も良く耳にします。私たちは、なぜ生きているのでしょうか。お一人お一人、子供のころから心の中で漠然と思い描く理想の生き方はあると思います。今の自分は自分の価値観の生き方でしょうか。それとも社会の価値観または他者との比較の上に形成された生き方でしょうか。その生き方を実現するためにはどのように働くことが理想でしょうか。
当然ですが、理想に近づくためには現状維持ではなく「何か」を変える必要があります。パーキンソンの研究によれば、私たちは時間があればあるほど、実際は先延ばしにするなどをして時間を埋める。ということが分かりました。日本では、時として、アウトプットの速さではなく、費やされた時間を評価されることもあります。ところが、同じアウトプットがより少ない時間で達成できたら、私たちは、1日に1時間でも2時間でも自分のために時間を使う事ができるのです。1日1時間でも多く自分のために使う事ができたら何ができるでしょうか?私たちは、その時間をどのように使いたいですか?何もやりたい事がない方でも、その一時間を自動的に睡眠にあてる事だけでも効果はあるのです。自分のプライベートの時間が充実すると私たちは活力が湧き、さらに仕事のアウトプットが高くなるという好循環が生まれるということはご存じの通りなのです。その点で、企業としては、斬新かもしれませんが、敢えて短い終業時間を設定するのは効果的かもしれません。生物学的にも人間は太陽が沈んだ後の時間の生産性は下がっていくのです。
そして、タイムマネジメントの見地から、これからの私たちが本気で考えたい事は、「その仕事、本当に必要な仕事かどうか」という事です。そこに紐づくのは完璧主義からの脱却かもしれません。他者にお任せした方がはるかに効果的な事もあります。また、交渉をし、作業工数を減らしたり、期限を延ばしても何ら問題ないこともあったりします。自分が寝ずに仕事をして不機嫌になり周りに当たり散らしたり、近づきがたい雰囲気を醸し出したり、ひどい場合だと燃え尽きてしまうよりは、自分のそしてチームの心の健康を維持することを選ぶことも必要です。
これまでのどんな時も全力で最善を尽くすこと、それが美徳だった時代に感謝と称賛を送りつつも、2024年を迎えるにあたり、私たちはもっと「リラックス」することでアウトプットも高くなり、さらには自己実現もできるようになることを加速させていく時代を意識していく必要があります。自分一人が意識を変える事で実現できる事ではありますが、皆がこの事を理解し合いながら、サポートしあえ得る仲間を創っていくことができれば、さらに状況は早く好転します。一人ひとりが、ゆっくりとリラックスし、充電するよう心掛け、仕事から離れることは、むしろ新しい視点をもつために必要なのです。
かくいう私も、このスペースを取るというシンプルで簡単なことが難しいという事は身を持って実感しています。先日、ある海外の商工会議所のイベントでグローバルに活躍されているリーダーの方々のラウンドテーブルのファシリテーションをさせて頂きました。そこでも、各界をリードされるパネラーの方々は、異口同音に「スペースを取り、しっかりと睡眠をとる事が大切」とおっしゃっていました。それは、その方が特別だからできるのでは?と思いましたが、その方々はある程度キャリアの早い段階でその術を身に着け「ゆっくりすることを自分に許可するようになってからさらにアウトプットが高まった。」とおっしゃっていました。それならば、私たちも意識をすれば、できるのではないか??と思えてきて、勇気をいただきました。
さあみなさん、来年は、どのような働き方、生き方を実践されますか?思いきって2週間または3週間連続で休暇を取ることもプランするもの良いでしょう。自分だけが取りづらいなら、チーム全員で支え合いながら長期休暇を取るカルチャーを創り、その仕組みをつくることを考えるのも良いかもしれません。
さらに言うと、もしかしたら、まだ、今年中にできる事もあります!先ほど同僚と「年内に必ず行いたい事は何か?」というディスカッションをしました。そこでの気づきは、当たり前ですが、、、特に遠くに行く必要もない。とにかく、ご家族や大切な方と過ごす。感謝を伝える。という時間を意識的に持つことが大切だという事でした。または、自分と向き合う時間をつくるという事もできると思います。どうしても、まとまった休暇を取得することが無理ならば、少しの時間でも、無理なく自分がリラックスし、心地よくいられる方法を考えて実践していきましょう。どこに行かなくても、お仕事から離れ、心身を休めるということが、見聞を広げ、大きな気づきに繋がります。
ですから皆さん、今できる小さい一歩から踏み出していきましょう!来年の今ごろは、一人ひとりが一歩一歩の積み上げで、ハッピーで心地よい環境を実感しています!