とあるグループでトレーニングをしていた時のお話です。『今までいた部署で昇格をされてマネージャーになったんですけど、周りはもちろん顔なじみで、先輩にはやっぱりお願いしづらいんですよね』という方がいらっしゃいました。『とはいえマネージャーとしてお願いしなくちゃいけないタスクとかあるんですけど、お願いしても上手くかわされちゃって結局自分で対応しちゃうんですよね』というお悩みを抱えていらっしゃいました。別のケースでは、『部下と面談をするんだけど、なんか毎回ぎくしゃくしちゃうんですよね』という方がいらっしゃいました。この方々に、その場面を、そのまま再現する、まさに再現VTRのようなロールプレイをしていただき皆で問題点を探してみようというアクティビティをしてみたところ、なんと共通項目が見つかりました。それは『声のトーン』です。
先輩に対して何度かお願いを試みた方は『何とかお願いしますよ~!』こんな感じでお願いをされていたのですが、ここで先輩役の方に『タスクの重要性をどの程度感じましたか?』という質問が投げかけられると、先輩役の回答は『6割程度かな?やってもらえたらいいなくらい』とおっしゃっていました。ちなみに皆さんは今のお願いで、どれほど熱意を感じられましたでしょうか?実はこの後、お願いをした側にも質問が投げかけられました『ちなみにお願いする側は、どのくらいの期待値でした?』
そして答えは『4割程度…正直やってくれないだろうと思ってましたし』とおっしゃいました。ここに思いがけないギャップがありました!お願い側は目的として10割受け取ってほしいと掲げていたのに、4割の熱意で伝えていらしたのです。こんな経験、皆さんもないでしょうか?実は部下とぎくしゃくしてしまう方も、話し方に質問が出ました。『そのトーンで質問されてたんですか?』論理的な方で、淡々と冷静に事実を伝えていたつもりが、聴き手にまわった我々の耳には、問いただされているような冷たさを感じさせていました!もちろんこの方にそんなつもりはなかったのですが、このギャップは彼にとっても衝撃的でした。声のトーンは、伝える内容程に重要なんです。ではで我々はどんなトーンに気を付けなければならないでしょうか。
もちろん、とあるシーンでだけ、声のトーンが変わるというのは逆に怖いものです。普段冷静沈着な方が、急に面談になったとたん満面の笑みで声高らかに、なんてなったら逆に聞き手は身構えてしまいます。ですので、あくまで『意識』が大切になるのですが、ではどんなトーンを意識をすべきでしょうか。
まず、受け手に感じてもらいたい感情は喜怒哀楽のどれでしょうか。『これが出来ているのはいいと思います』なのか『これが出来ているのはいいと思います』なのか、受け手はどちらが、認めてもらえている、と感じられるでしょうか。せっかく認めているのに、それが伝わらないのは双方にとってもったいないものです。真剣さはどうでしょうか。『是非お願いします』なのか『是非、おねがいします』なのか、話し方のペースも重要になります。もちろん、見た目も大切です。楽しい話をするならそれなりに朗らかな表情をすれば、相手も安心しますし、逆に真剣案所では一気に気を締めることも出来ます。慎重に整合性を持たせてメッセージの明確性をあげることが重要です。マネージャーとして我々は、日々大量のタスクに追われています。忙しさのなかでついついトーンへの気配りがおざなりになります。を怠りがち。聴き手との共通認識を高め、メッセージ性をあげて繰り返しを減らすことは、誰にとっても効率的です。内容はもちろん大切だすが、是非、伝え方も意識して、高い生産性を実現されてください。